2014年1月26日日曜日

Waves C1 Parametric Compander ファーストインプレッション

ここ数日、意識的にWaves のC1 を使っていたんですが、コンプ感を強く感じる割には変な音の潰れ方を簡単に回避出来たり、アタックを最速にすることでグニャって曲げることが出来たり笑。用途が幅広いコンプだと感じます。




Waves 製品って常々思っていたんだけど、数値に対する効きが分かりやすい。このC1 も効きが強いので、それが幸いしてコンプによる音の変化が分かりやすいです。コンプに慣れていない人にオススメなプラグインですね。


ということで、今回はWaves C1 Parametric Compander のファーストインプレッションです。



Waves Audio Ltd. » C1









1 バンドコンプ という考え方


「C4の原点となった最高の1バンド・ダイナミック・イコライザ」ってMedia Integration さんのサイトに書いてあったんだけど、このC1 はフィルターセクションを備えていて、そこでコンプをかける帯域を選んだり、サイドチェインを指定したり出来ます。




上段のコンプ設定においてEQ Mode があり、ここで「WideBand」「Split」「Sidechain」の中からひとつ選びます。

読んで字のごとくなんだけど、「WideBand」がフィルター関係なく普通のコンプ処理、「Split」がフィルターセクションで指定した帯域のみコンプ処理、「Sidechain」がフィルターセクションで指定した帯域をトリガーにしてコンプ処理をする形。


フィルターセクションで処理する帯域を選べるので、普通のコンプでは難しい処理がこれひとつで出来ることになります。


例えば、EQ Mode を「Split」にしてフィルターで耳に痛い帯域のみ指定しコンプをかけてディエッサーとして使う。低域の強いキックにコンプ処理する際、EQ Mode を「Sidechain」にしてフィルターでハイパスをかけて出過ぎている低域をトリガーしないようにする。などなど。

色々組み合わせることで最適な処理が出来ます。


このようにフィルターセクションのバンド帯域を意識することで、普通のコンプ処理から特殊なコンプ処理まで可能です。「1 バンドコンプ」という言葉がとてもシックリきます。


C1 のコンプ自体はどうか?と言うと、コンプ感は強めながら変な圧縮感はほとんど感じません。アナログ感も一切感じませんが、自分のイメージしたコンプ処理を簡単に出してくれます。

コンプの各パラメータの効きがとても分かりやしいので、設定がやりやすいんですよね。好みもありますが、このC1 はタイトにかけたいという際に大変使いやすいです。



どん底からのDTM生活 ~リターンズ~: Waves C1 Comp Kick TEST












上記はキックにC1 をかけています。アタックのヌメッとした感じがタイトな音になっていますね。レシオもっと高くしてさらにキツくかけるなんてことも全然アリです。

コンプ感の出ている音ですが、嫌な圧縮感がほとんどありません。コンプの設定いかんではありますが、強くコンプをかけることが出来るという点はアドバンテージになると思います。


また色んなソースに使えると思いますが、特にタイトなソース(ギターのカッティングとかアタックの立っているソース)にはピッタリなコンプだと感じますね。


エキスパンダ処理も可能


僕はエキスパンダを使用することがほとんどありません。そもそも、エキスパンダ処理ってどういう原理なの?というような有り様です。



EXPANDER








「大きい音はより大きく、小さい音はより小さくする」というイメージを持っていましたが、どうもスレッショルド以下を引き下げて相対的に音の強弱を強くするという効果みたいですね。その典型がノイズゲート。スレッショルド以下の音を漏らさないようにしてノイズをカットする。


このC1 は「Parametric Compander」 というネームから分かるようにエキスパンダ処理をすることが出来ます。




コンプの最上段のパラメータを「Low Ref」から「Peak Ref」にするとエキスパンダ処理に切り替わるようです。※マニュアルにはLowRef/Expander 切り替えと書かれているんだけど、「Expander」という文字列がない笑。


このC1 のエキスパンダ処理の特出すべきポイントはフィルターセクションで適用する帯域を指定出来ることです。



どん底からのDTM生活 ~リターンズ~: Waves C1 Comp Vocal TEST












上記のApple Loops のボーカル素材は既に完成された素材ですが、C1 のエキスパンダ処理で少し高域を持ち上げてます。処理前よりも少し軽い音になっていますが感じてもらえますでしょうか?

EQ Mode を「Split」にして狙った帯域のみ効果が出るようにフィルターセクションで設定することで、「音の大小をより広げる」という使い方ではなく、「音の帯域に対してエキスパンダ処理をする」という使い方が出来ます。もちろん、EQ Mode で「WideBand」を指定することで普通のエキスパンダ処理も可能です。


上記素材ではフィルターをバンドパスにして高域に設定しました。



EQ Mode とフィルターがC1 の真骨頂


色々書きましたが、このC1 は普通のコンプとしてとても良い効きをします。タイトにしたい場合には特に最適でしょう。さらにEQ Mode とフィルターの組み合わせによって、C1 がただのコンプから一歩進んだコンプになります。エキスパンダとしても同様です。


「C1 Parametric Compander」というネーミングが持つ意味はEQ Mode とフィルターにあるんだろうと思います。


C1 のコンプに対して焦点を当ててきましたが、コンプだけではなくゲート機能も備わっています。




もちろん、このゲート処理においてもEQ Mode とフィルターで帯域に対して設定するという使い方が可能です。


このようにWaves C1 Parametric Compander はコレ1 台でとても幅広い使い方が出来ます。とても奥が深いプラグインですね!!

下位バンドルにも入っているような標準的プラグインなので、Waves のバンドルを持っていらっしゃる方はきっとC1 があるはず。僕のように「画面が古臭そうだから敬遠してた」なんて言わずに一度使ってみてくださいね笑。


Waves Audio Ltd. » C1







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