2013年12月16日月曜日

IK Multimedia T-RackS Classic Multi-band Limiter ファーストインプレッション

IK Multimedia T-RackS 大好きYuuki-T でございます。

僕は今までマルチバンドコンプ/リミッターをまったく使っていませんでした。なんとなく難しいイメージがあったり、使わなくても問題なかったりしてたので。


ただ、手持ちにT-RackS のマルチバンド系のプラグインがあるので、前回アップしたSpectrasonics のデモで黄色マルチバンドリミッターを思い切って使ってみました!!




今回はマルチバンド系プラグインを一切使ってこなかった僕がお送りする、役に立つか分からないT-RackS Classic Multi-band Limiter のファーストインプレッションでございます。



IK Multimedia | T-RackS Custom Shop









T-RackS Classic Multi-band Limiter の操作/機能性


この黄色リミッターなんですが、他の多くのマルチバンド系プラグインと違う点として、各バンドに対してのソロ(視聴)やゲインリダクションメーター、リリースが付いていません。

リミッターということなのでレシオやアタックタイムがないのは良いとして、各バンドの情報が正直得づらいです。




上記は同じT-RackS のQuad Lim Multi-band Limiter ですが、このように各バンドのゲインリダクションやソロなどを黄色リミッターでは確認出来ません。


こういったマルチバンド系になれていない人にはちょっと厄介な点かもしれませんが、そもそもT-RackS の黄色モジュールって目で確認するようなものではないんですよね^^




どん底からのDTM生活 ~リターンズ~: T-RackS 3 のClassic Equalize







2年くらい前に書いた黄色EQ についての記事ですが、このEQ にはスペアナがありません。T-RackS の黄色モジュールには「適当にインプット突っ込んでいじってください」というコンセプトを感じてて、それがアナログライクで音楽的だと思っています。


長くなりましたが、この黄色マルチバンドリミッターでも同様に、インプットを突っ込んで耳で聴いて自分がイイと思うポイントを適当に探れというIK からのメッセージを勝手に受け取っております笑。



肝心の操作についてですが、この黄色マルチバンドリミッターではスレッショルドが固定されています。ですので、インプットノブで音を突っ込むことで各バンドにおいてゲインリダクションを得ることが出来ます。




そして、それと同時に各バンドのスレッショルドを調整して、リミッターのかかり具合を調整し、下段でのレベルで各バンドのレベルを調整(メイクアップゲインみたいなもの)、CROSS OVER で各バンドの帯域を調整します。

CROSS OVER の設定が一番難しいかもしれないけど、マニュアルには「通常はデフォルトで問題ない」的な記載があるので、とりあえずデフォルトで試してみて、必要だったら変えてみるというのが良いと思います。

ちなみに、今回のデモ内では少しだけCROSS OVER を変えています。




インプット上段のリリースは全体のリリースタイムを、OVERLOAD ではリミッターの振る舞いを設定します。


OVERLOAD は説明しづらいんですが、低くすればするほどリミッターのかかりが深くなります。これがどういう役割をしているかよく分からないので、耳で聞いて設定するしかないですね笑。

このモジュールを持っている方ならOVERLOAD を操作して頂ければ、リミッターのかかりが深くなるというのを確認して頂けると思います^^


今回のデモではOVERLOAD を程よいと感じるところに設定しています。


このモジュールを使う場合は、とりあえずインプットを突っ込んでゲインリダクションさせ、その後で各バンドのスレッショルドなどを設定し、リリースタイム、OVERLOAD を設定。

で、また各パラメータを音を聴きながら設定するという感じで良いと思います。


ちなみに各バンドのスレッショルドを最大にすると、ほとんどリミッターを動作させることなくスルーさせることが出来るので、その状態で各バンドのレベルを設定することでマルチバンドEQ っぽく使うことも出来ます。

まぁ、こうやって使ってしまっては後述の黄色リミッターの旨味がほとんど出ませんが・・・


T-RackS Classic Multi-band Limiter の音質


どんなプラグインでも気になるのは「音質」

「音質」と書きましたが、設定如何によってだいぶ変わってくると思うので、マルチバンド系をほとんど使ってこなかったペーペーが書いているという前提で読んでください笑。


この黄色マルチバンドリミッターは結構色付けがあります。


透明感?何それ美味しいの?と言わんばかりの味付けなので、味付けを嫌う場合には使わないほうがいいですが、その味付けがとにかくとても気持ちいいです!!







上記デモ動画では黄色マルチバンドリミッターを前ではOFF、後半ではON にしています。


自分の中では結構深めにかけたんですが、丸みを帯び、若干歪んでいるような音になっています。特にキックのイッパイイッパイな感じがとても好きです。

OVERLOAD をもっと低くするとよりリミッターが作動しますが、今回はこの程度に留めておきました^^


先程、音が丸みを帯びていると書きましたが、この感じは同じT-RackS 黄色モジュールのClassic T-RackS Clipper に近いように思います。




このClipper のSLOPE 部分で音を丸くしたり、角ばった感じにしたり出来るんですが、このSLOPE を調整した時の音の質感と似ている気がしますね。



色々書きましたが、今回初めてT-RackS Classic Multi-band Limiter を使ってみた感想としてはかなり良好であります!!

透明感はないので用途は選びますが、ロック系には結構合うんじゃないかな?と思っています。



他にもマルチバンド系のプラグインを持っているので、それらを色々試してみるとまた違った感想を持つかもしれませんが、思っていた以上に良いプラグインでした!!

なんか、このモジュールはあまり人気なさそうな印象なので笑。


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