2014年2月9日日曜日

リバーブの処理を色々試して気付いたこと





今まで空間系についてほとんど無頓着だったので、以下Tips を参考に自分で色々いじってみた。



Staff Blog! » リバーブの選び方と、使い方Tips記事のまとめ








Media Integration さんの公式ブログ内にある「Mixが上手くなるTIPS」内の記事。上記はSonnox のリバーブが使われていますが、手持ちのリバーブで代用可能なのでとても参考になるはずだYO!!




話が少し脱線するけど、自分達の製品を売るだけではなく、より良い使い方をこういう社内ブログなどで提供する姿勢が僕は好きなんだ。

今回はリズムパートのみでリバーブをいじってたんだけど、その中で気付いたことを書いておこうかと。



プリセットから追い込む


リバーブって各パラメータはそこまで難解でないのに、いざ使ってみると全然思い通りにいかなくて発狂するエフェクトというイメージを持っている。特にデフォルトの状態から作っていくと必ず訳が分からなくなり、最終的に「これでいいや」という適当感満載のリバーブが出来上がる。


そんな僕が上記のTips を見てて感じたのは、プリセットから欲しい響きを選んで、その上でパラメータを最適な値に変更しているな・・・と。

しかも、その変更しているパラメータは毎回ほぼ決まってる!!






上記は今回僕が使ったリバーブプラグイン、Waves Renaissance Reverb の画面。


プリセットを選んだ後に動かしているパラメータはリバーブタイム、アーリーリフレクションとテイルリバーブの割合、リバーブのEQ ぐらい。

もちろん必要に応じてルームサイズの変更なども行っていたんだけど、基本的には上記3 つをプリセットから追い込んでた。



リバーブタイムの変更はADSR を操作する感覚で


リバーブタイムについては音の余韻の部分を増やすか減らすか、その1点のみを考えて操作すべきパラメータだと感じた。実際に使ってみて感じたのは、どんなプリセットを選んでもリバーブタイムが長めに設定されている。

この状態だと音の余韻がモアモアして切れのない音になりがちだから、リバーブタイムを短くすることで音をタイトに仕上げる。


Media Integration さんの公式ブログ内でも以下のような記述があります。



「タイトさが欲しい…」と語られているところもポイント。リバーブを掛けているのに、タイトに仕上げる。一見、相反するようにも聞こえますが、この絶妙な感じをエンジニアはどうやって仕上げるのか。


Staff Blog! » リバーブの聞きどころ、見極めどころ。








今までリバーブを使う際、「タイトに仕上げる」なんて考えたことなかったな・・・と気付いた。リバーブタイムは空間の大きさを設定するものだとばかり思っていたんだけど、そうではなくて、音のADSR を操作するような感覚でリバーブタイムを触って追い込む。


そういうイメージでリバーブタイムを設定すると、意外にスンナリと値が決まる。リバーブタイムってこういう使い方で全然OK なんだ!!って自分の中で腑に落ちました。

ミックスについての書籍などでは長めのリバーブタイムが表記されていることが多いと感じていますが、余計な余韻だと感じたら積極的にリバーブタイムを短くしてやろう。


後は自分の耳を信じるのみ。



アーリーリフレクションとテイルのバランス


リバーブサウンドを決める際、上記Tips ではアーリーリフレクションとテイルのバランスに特に注意して操作していました。テイル部分を多くすれば奥行きが出るし、アーリーリフレクションを多くすれば部屋鳴りがプラスされて音が近くなる。

この2 つのバランスを最適な値にするのが重要だと感じたんだけど、今回リバーブを触って気付いたのが、アーリーリフレクションメインで使うのも全然アリだということ。






ドラムのキックにリバーブってご法度なイメージがあったんだけど、リズムパートのみにリバーブかけた際、ドライのキックが浮きまくってた。他のパートは気持ちいい残響が付いているのに、キックだけドライだから音が前に出まくるんですよね笑。

「これ、どうしたらいいのかなぁ・・・」と考えた結果、アーリーリフレクションメインで使用してみたら他のパートに馴染むサウンドになった。


キックに普通にリバーブをかけてしまうと、テイル部分がすごく邪魔になる。かと言って、ノンリバーブだと音が浮きまくる。そんな時はアーリーリフレクションメインで使用すれば解決するはずだYO!!


後は自分の耳を信じるのみ。



EQ で積極的にリバーブ音を加工しよう


上記Tips でもリバーブのEQ 部分を操作してた。大体がローカット、ハイカットという使い方だと思うんだけど、特にローがブオンブオン暴れてしまうと手が付けられないので、そういった場合はローカット、リバーブ音を甘い感じにしたければハイカットしよう。






Waves Renaissance Reverb の場合はハイとローのシェルビングしか付いていないんだけど、Sonnox Reverb は5 バンドEQ が付いているんですね!!



Sonnox » Oxford Reverb








大体のリバーブはWaves Renaissance Reverb のようにローとハイのシェルビングが付いているのみなので、中域をどうのこうのしたいといった場合はAUX トラックに立ち上げたリバーブの後段にEQ を挿して処理するしかない。

その際、センドでリバーブに送ることになるんだけど・・・えっ?リバーブはセンドで送るもんだろって?



トラックにリバーブを直接インサートしてしまえ


センドで送るのがセオリーだと知っているけど、なんでもかんでもセンドで送ってしまうと同じリバーブが多くのトラックに適用されてしまう。もちろん、こうすることでリバーブの統一感が出やすいのかもしれない。

でも、今回色々触ってて感じたことは、リバーブってトラック毎で設定変えて使った方が意外に使いやすいんじゃないか?と。


トラック毎にリバーブの余韻の操作、アーリーリフレクション/テイルの比率、リバーブのEQ をトラックに直接インサートしてしまってプリセットから追い込む。リバーブを含めたサウンドメイキングをすることでひとつひとつのトラックに注意がいくと感じました。



Staff Blog! » ミックスにおける空間コントロールと、リバーブを使ったサウンドメイキング







使い方は人それぞれですが、僕の場合は大体2 つくらいリバーブのAUX トラックを立ち上げてセンドで各トラックから送ってた。書籍などを読んでそういうようにやるのが普通だと認識していたからなんだけど。


ただ、そのようにやると、最終的にグチャグチャなサウンドになってリバーブが破綻してた笑。

リバーブの使い方が悪いと言われればそれまでなんだけど、ひとつひとつの音の残響を調整(リバーブタイムとかアーリーリフレクション/テイル比率とか)した方が収まりがいいような気がする。まさにサウンドメイキング。


そして、リバーブでサウンドメイキングする上でもうひとつ重要なパラメータがあると感じてる。



プリディレイは音の輪郭の調整に


Media Integration さんの公式ブログ内の動画ではあまり触られていないパラメータなんだけど、リバーブのプリディレイもサウンドメイキングでは重要だと感じている。

このプリディレイ。リバーブ音が返ってくる時間を決めることが出来るんだけど、実際にどういう時に使うのが効果的なのかイマイチ分かっていなかった。だから、大体プリディレイ0ms (原音と同時にリバーブも鳴る)にして、あとは「適当に動かす」って感じだった苦笑。


今回、注意して使ってみたんだけど、このプリディレイは音の輪郭を出したい時に遅くしてやるのが効果的だと思った。




上記はキックにかけているリバーブの画面。

先程、キックにアーリーリフレクションメインでリバーブを使用したら音が馴染んだと記載したけど、それだけだと音の輪郭が少しボヤけていた。そこでプリディレイを設定することでアタック部分にリバーブをかけないようにして音の輪郭を出す。


このように、リバーブを適用しつつ音の輪郭を出したければプリディレイで設定するのが吉なんだけど、これをやるならやっぱりトラック毎にリバーブを挿してメイキングした方が断然に良いハズ。


後は自分の耳を信じるのみ。



最後に


リバーブはプリセットから追い込む。やみくもにセンドで同じリバーブに送るのではなくて、必要であれば直接インサートしてリバーブを操作してしまう。

そうすることで空間処理がコントロールしやすくなる。


そういうことを考えると、僕の求めるリバーブは「プリセットが充実している」「ハイ、ロー以外の帯域のEQ 処理が可能」ということになる。



Sonnox » Oxford Reverb








それって完全にSonnox リバーブじゃないですかー!?買えってことか!! ←


このSonnox リバーブはアーリーリフレクションとテイルのバランスを1 本のスライダーで操作出来るという神ツールだったりする。

なんだかんだ、Waves Renaissance Reverb だとアーリーリフレクションとテイルのバランスとるのすごい面倒だったんだよぉ...。音は良いんだけど^^


リバーブの勉強するつもりが、最後は完全にSonnox リバーブに心奪われる展開になってしまった。←


Media Integration さんのブログには他にもTips がたくさんあるから、それを見てひとつづつ勉強していこう!!

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